妊娠・出産という一連の過程は、女性の身体に劇的な変化をもたらします。お腹が大きくなるという外見の変化だけでなく、体の内側――すなわち骨格・関節・筋肉といった「筋骨格系」においても大きく変化します。
しかし、こうした変化は目に見えにくく、従来の助産ケアにおいては十分に理解されてこなかった領域でもあります。
そのため、助産師の皆様が日々直面している「腰痛」「恥骨痛」「肩こり」「腱鞘炎」「尿もれ」「こむら返り」などのマイナートラブルは、「よくあること」「仕方のないもの」として片付けられてしまうことが少なくありませんが、このような不調の背景には、身体の機能解剖学的な原因が必ず存在します。
助産師がその病態生理を正しく理解し、分かりやすく説明できるようになることで、妊産婦にとってのケアは“より意味のあるもの”へと進化していきます。
本講座では、WHO基準の教育課程を修了し、助産教育にも長年携わってきたカイロプラクター・山口康太先生が、妊娠・出産・産後における筋骨格系の変化とマイナートラブルの関係を、機能解剖学の視点からわかりやすく解説します。
皆様のご受講を、心よりお待ちしております。
産前産後に特化した治療院
ブルームカイロプラクティック
院長 山口康太
経歴
オーストラリア ビクトリア州立 ロイヤルメルボルン工科大学 健康科学部 カイロプラクティック学科 日本校 卒業
取得資格
Bachelor of Chiropractic Science -Australia-(カイロプラクティック理学士)
Bachelor of Applied Science(Clinical Science) -Australia-(応用理学士)
International Applied Kinesiologist(国際アプライドキネシオロジスト)
International Board Certified Lactation Consultan(国際認定ラクテーション・コンサルタント)
主な講師・講演歴
2015〜2022年
福岡県立大学大学院 看護学研究科 助産実践形成コースにて、「ホリスティック助産学」の非常勤講師
2023〜2024年
福岡県助産師会で産後ケア、分娩の進行に関する講義
2023年
香川母性衛生学会(特別講演)で母乳育児支援に関する講義
2024年
福岡県助産師会にて、「分娩の進行」に関する講義を担当
2025年〜現在
乳房筋膜リリース協会を通して、助産師向けのオンラインセミナーを開始
その他、産婦人科や母乳育児支援団体での講演多数
さらに詳しい講師歴についてはコチラをクリック
@ WHO基準のカイロプラクティックとは
カイロプラクティックは、筋骨格系の異常とそれが健康全体に及ぼす影響を扱う専門職です。世界90カ国以上で認知され、WHOによる教育ガイドラインでは4,200時間以上の全日制教育が必要とされています。
本講義では、日本国内におけるカイロプラクティックの現状や、WHO基準を満たす施術者の違いについても触れ、信頼できる補完代替医療としての役割を解説します。
A 妊娠中の筋骨格系の変化
妊娠による体重増加・重心移動により、骨盤・脊柱・股関節・肋骨などに大きな負担がかかります。また、ホルモン(リラキシンなど)の作用で関節や靱帯が弛緩し、骨盤の安定性が低下します。
これらの変化が姿勢や歩行、筋バランスの崩れを引き起こし、痛みや不調の背景となります。具体的な構造変化やそのメカニズムを丁寧に解説します。
B 筋骨格系の痛みの予防と妊婦体操
「仕方がない」と思われがちな痛みも、体の使い方次第で予防できます。講義では、インナーユニット(腹横筋・骨盤底筋・横隔膜・多裂筋)を活性化し、腹圧と姿勢を安定させるエクササイズを紹介させていただきます。
妊娠中に安全に取り組める体操と、注意すべき禁忌事項を明確に示し、助産師として安心して指導できる知識を提供します。
C 骨盤ベルトの有効性について
骨盤ベルトは、妊娠中・産後の骨盤不安定性に対して有効なサポートツールですが、その使用方法を誤ると逆効果になることもあります。
本講義では、ベルトがどのように骨盤周囲の靱帯・筋肉・関節に作用するのか、科学的根拠に基づいて整理し、適切な選び方と使い方を解説します。
D 妊娠中の正しい姿勢と悪い姿勢
反り腰や猫背など、妊婦特有の姿勢変化が痛みや不調の原因になります。講義では、姿勢タイプ別に起こりやすいマイナートラブルや、胎位への影響(逆子との関連)も含めて解説します。
E 妊娠中・産後に注意した方がよい動作
育児中の「ちょっとした姿勢」や「日常動作」が痛みを慢性化させる要因となります。
ここでは、起き上がり方、授乳姿勢、赤ちゃんの抱き方など、産後によくある負担のかかる動作を取り上げ、解剖学視点から負担を軽減する方法を紹介します。
F 筋骨格系の機能的変化から捉える妊娠中・産後のマイナートラブル
「腰痛」「恥骨痛」「腱鞘炎」など、助産師が現場で多く遭遇する症状を、神経筋骨格系の視点から解説します。
症状が出るメカニズムを理解することが、予防とケアの第一歩です。
妊娠・出産による身体の「構造的変化」を、筋骨格系の視点から深く理解できる
リラキシンによる靱帯の弛緩、骨盤の不安定性、腹直筋離開など、妊娠中から産後にかけて女性の身体がどう変化していくのかを、根拠に基づいて学べます。
マイナートラブルの“病態生理”を説明し、予防・改善の支援ができるようになる
腰痛・恥骨痛・腱鞘炎・尿漏れ・こむら返りなど、現場で多くみられる不調を「よくあること」とせず、“なぜ起きるのか”を解剖学的に読み解き、適切なケアにつなげられるようになります。
妊婦体操やセルフケアの「根拠と方法」を明確に伝えられるようになる
妊娠中でも安全に実施できる体操、骨盤ベルトの正しい使い方など、実践に基づいたエクササイズと指導法を習得できます。
妊娠中の姿勢評価と日常動作へのアドバイス力が向上する
妊婦の姿勢を観察する際のポイントや、妊娠期・産後に避けるべき動作を知ることで、現場で使える観察眼と指導力が養われます。
妊娠・出産・育児期を「つなげて支援する力」が身につく
妊娠中の身体状態が、分娩の進行や産後の体力回復、さらには育児の身体的負担にまでどう影響するかを学ぶことで、各時期を一貫して支援できる助産師像に近づけます。
ケアの質と説得力が高まり、ママからの信頼が得られるようになる
「説明が腑に落ちた」「体のことがよく分かった」と実感してもらえる支援が可能になります。医学的根拠に基づく助言は、助産師自身の自信にもつながります。
マイナートラブルへの対応に自信を持ちたい方
「腰が痛い」「恥骨痛がつらい」と訴える妊婦さんに、きちんと説明ができるようになりたい方に。
“なぜ起きるのか”を説明できるようになりたい方
痛みや不調を、感覚ではなく身体の仕組みから論理的に理解したい方におすすめです。
骨盤ケアや体操指導を、根拠をもって行いたい方
骨盤ベルトやエクササイズの効果や使い方を、運動学的な視点で理解・指導できるようになります。
妊娠・出産・産後を一貫して支援したい方
妊娠中の体の変化が、分娩や産後の回復、育児負担にどうつながるかを見通せる視点が身につきます。
妊婦さんに納得と安心を届けたい方
「説明がわかりやすい」「体のことが理解できた」と感じてもらえる、質の高いケアを目指す方へ。
受講料:30,000円(税込み)
スライド数300枚以上の分かりやすい講義資料込の料金となっております。
講義資料はPDFにてダウンロード可能です。
この資料の作成に合計200万円以上の参考書籍を使用しております。
実際に私が患者様への説明に使用いるものですので、すぐに現場で活用できるかと思います。
講義時間:4時間
復習しやすいように3部構成になっております。
視聴期限はありませんので、いつでも何度でも見返すことができます。
準備中です