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乳房筋膜リリースセミナーpolicy&FAQ

講義概要

 本講義では、筋膜の機能解剖学という視点から、母乳育児の支援を再構築するアプローチ「乳房筋膜リリース(BFR)」を学びます。

 母乳育児がうまくいかない理由として、吸綴が浅い、乳頭が痛い、射乳がうまく起きない、乳房が常に張っている、搾乳時に痛みがある…など、さまざまな現象が報告されます。

 その根底には、乳房およびその周囲に存在する筋肉の緊張や筋膜の滑走性の低下が関係している可能性があります。

 この講座では、筋骨格系の解剖学的な視点から、乳房の構造と機能、筋膜・筋肉の連結や機能を理解した上で、乳房に直接触れずに、授乳に適した乳房の状態に整える「乳房筋膜リリース」を習得できます。

 臨床経験と解剖学研究に裏打ちされた根拠に基づいた内容ですので、現場でそのまま活用できる知識と技術を提供します。

 座学および実技の講師は2人体制ですので、しっかりと習得することができます。

 基礎的な知識からお話しさせていただきますので、乳房トラブルへの対応が苦手と感じている方こそ受けていただきたい内容となっております。

 また、乳房筋膜リリースは「乳房周辺の身体の状態を整えること」に着目していますので、桶谷式乳房手技、堤式乳房マッサージ、BSケア、SMC方式乳房マッサージなどの様々なアプローチ法と組み合わせることも可能ですし、施術効果を高めることができると考えております。

受講者の感想はコチラ

講師紹介


きはら母乳育児相談室
梅崎万帆

学歴
2011年 福岡県立福岡高等学校卒業
2015年 慶應義塾大学看護医療学部卒業
2017年 聖路加国際大学大学院ウィメンズヘルス・助産学専攻上級実践コース修了

取得資格
2015年 保健師、看護師
2017年 助産師
2021年 桶谷式乳房管理士
2021年 ピーターウォーカー ベビーマッサージ公認講師
2024年 国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)



産前産後に特化した治療院
ブルームカイロプラクティック

院長 山口康太

経歴
オーストラリア ビクトリア州立
ロイヤルメルボルン工科大学 健康科学部
カイロプラクティック学科 日本校 卒業

取得資格
2008年 カイロプラクティック理学士
2008年 応用理学士
2008年 国際アプライドキネシオロジスト
2016年 国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)

主な講師・講演歴
2015〜2022年
福岡県立大学大学院 看護学研究科 助産実践形成コースにて、「ホリスティック助産学」の非常勤講師
2023年
福岡県助産師会にて、「産前産後のマイナートラブル」に関する講義
2023年
香川母性衛生学会(特別講演)にて、「母乳育児支援」に関する講義
2024年
福岡県助産師会にて、「分娩の進行」に関する講義

その他、産婦人科や母乳育児支援団体での講演多数

さらに詳しい講師歴についてはコチラをクリック

この講義で学べること

@ 乳房周辺組織の膜構造から考える母乳育児支援
 乳房は乳腺や脂肪だけでなく、浅筋膜・深筋膜などの膜構造によって構成されています。
 これらの構造の伸展性が損なわれると、乳腺や乳管が圧迫され、乳汁の流れが悪くなる・張りやすくなるなどの問題が生じます。
 解剖学的に膜構造を理解することで、乳房の可動性や柔軟性に着目した支援が可能になります。

A 乳房周辺の筋肉の機能解剖と筋連結
 大胸筋・前鋸筋・小胸筋など、乳房周辺の筋肉は、肩や腕、骨盤と連動しており、授乳姿勢や日常の動きに強く影響されます。
 これらの筋が過緊張を起こすと授乳時の痛みや不快感、乳腺の可動性減少につながります。筋肉の解剖とそのつながりを知ることで、全身的な視点から母乳育児支援を考える力が養えます。

B 乳房の血管支配から考える母乳育児支援
 乳房は内胸動脈・外側胸動脈・肋間動脈などから栄養を受けており、筋の緊張が血流を阻害することがあります。
 筋膜や筋肉の調整によって血流を改善することで、乳汁の分泌・射乳反射を促進する可能性があります。
 特にオキシトシンやプロラクチンが血流によって運ばれることからも、血管支配の理解は重要です。

C 乳房のリンパ灌流と筋膜の関連から考える母乳育児支援
 リンパの流れの改善は乳房緊満の軽減に重要な役割を果たします。リンパの流れは浅筋膜や深筋膜、乳輪下リンパ管叢などを通じて行われますが、筋膜の可動性が低下するとリンパも滞留します。
 筋膜リリースや適切な授乳姿勢の指導によってリンパ灌流が改善され、乳房の圧迫感、授乳時の不快感を軽減できます。

D 乳房の神経支配から考える母乳育児支援
 吸綴刺激によって起きるプロラクチンとオキシトシンの分泌は、乳頭周辺の感覚神経を介して起こります。
 筋膜や筋緊張が神経伝達にどう影響するのかを学ぶことで、射乳がうまく起きないケースへの理解と対応の視点が広がります。

E 乳房筋膜リリースとセルフケア
 上記の解剖学的知識をもとに、助産師が現場で活用できる乳房筋膜リリースの基本技術や、妊産婦自身が行えるセルフケア方法も紹介します。
 授乳に関連する筋や膜を、安全に優しく緩めることで、乳房の痛みや張り感、ラッチオンの困難さなどに対して非侵襲的にアプローチできます。
 支援者と母親、両方にとって実践的な学びが得られます。

このような助産師さんにおすすめ

乳房ケアや母乳育児支援において、根拠を持った説明と対応をしたい方
 感覚や経験則だけでなく、解剖学的な根拠に基づいた支援を行えるようになります。患者さんへの説明にも説得力が増します。

ラッチオンの困難さ・乳頭痛・乳房緊満などの繰り返すトラブルに悩む母親を支援したい方
  「何をしてもうまくいかない」と感じるケースの背景にある“乳房周辺の筋膜の問題”を理解し、効果的なアプローチにつなげられます。

母乳育児支援を、筋膜・筋肉・姿勢など構造的な視点から学び直したい方
 授乳だけでなく、体のバランスや筋緊張・可動性などに注目し、包括的な支援ができるようになります。

授乳に影響する身体の使い方や姿勢について、わかりやすく伝えたい方
 正しい姿勢やエクササイズを使って授乳をサポートする方法を学び、母親に「実感できる指導」ができるようになります。

乳房マッサージだけに頼らず、セルフケアや姿勢指導などのアプローチを取り入れたい方
 “痛みのないケア”を望む母親に向けて、セルフケアや乳房筋膜リリースなどの選択肢を持つことができます。

よくある質問

誰でも受講可能でしょうか?
 主に助産師向けの内容ですが、母乳育児支援に関心のある産婦人科医、産婦人科や助産院にお勤めの看護師も受講可能です。
 乳房ケアに対して苦手意識を持っている方にこそ受けていただきたい講義内容となっております。

受講の際の服装や必要なものを教えてください。
 乳房筋膜リリースの実技実習を行いますので、動きやすい服装でお越しください。
 受講の際は、ヨガマット、バスタオル、筆記用具をお持ちください。

1回の受講だけで習得できますか?
 しっかりと技術を習得できるよう実技のお時間を5〜6時間お取りしております。
 乳房周辺の解剖生理学などの基礎知識から、テクニックのコツなどの技術面まで丁寧に指導させていただきます。
 乳房筋膜リリースのメカニズムを理解し、テクニックの基礎ができれば、次の日にでも現場で実践可能となっております。
 復習用の動画もございますので、自宅や職場で動画で確認しながら練習することができます。

再受講はできますか?
 はい、再受講可能です。前回の講義資料を持参する場合は5000円割引、新たに講義資料をご希望の場合は、3000円割引となっております。
※講義資料の内容に大きな変更はありませんが、より伝わりやすくなるように改良を重ねておりますので、若干内容が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。

乳房筋膜リリースは妊娠中、出産直後にもできますか?
 はい、妊娠中から乳房周辺の状態をよくすることで、産後の授乳を軌道に乗せやすくなる効果がありますので、出産前のケアに取り入れてもよいかと思います。
 また、産後直後の生理的な乳房緊満こそ乳房筋膜リリースが最も効果を発揮します。
 産後2〜3日目に乳房筋膜リリースを行なうことで乳房緊満が軽減し、授乳しやすくなりますので非常に効果的です。

その他の乳房へのアプローチ法との相乗効果はありますか?
 乳房筋膜リリースは、乳房周辺の筋膜構造に注目し、乳房に直接触れずに周辺の筋骨格系にアプローチする手技療法です。
 ですので、桶谷式乳房手技、堤式乳房マッサージ、BSケア、SMC方式乳房マッサージなどの様々なアプローチ法と組み合わせることも可能ですし、施術効果を高めることができると考えております。

復習会はありますか?
 はい、福岡市で年一回の認定者向けの復習会を行なう予定です。

受講料

受講料:〇円(税込み)
※講義資料および復習動画込みの料金です。
※福岡以外の開催地では、講師2名分の宿泊交通費として、〇円を追加させていただきます。

受講後は「乳房筋膜リリースセラピスト」として認定されます。

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開催情報

2025年11月22日〜23日 大阪府

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